ボケの大きさ、ボケ量 計算方法と検証画像
カメラにおけるレンズのボケの大きさ、ボケ量の話です。
このレンズはどのくらいのボケになるのか、どちらのレンズが大きくボケるのかということを考えるときにとても簡単に計算でき、直感的に理解できる方法がありますので紹介します。
(47mmのカードを持ってみた)
ボケの大きさの計算式
ボケの大きさは以下の計算で求めることができます。
式を見てわかる通りこれは有効口径の値そのものです。つまりボケの大きさは有効口径だけで決まりますし、定量的に例えば20mmの有効口径の時のボケは20mmですと直接求められるということです。
検証画像
画像をみてみましょう。直径が47mmのカードをつくり手に持ってもらっています、それをf=85mm F1.8つまり有効口径が47mmとなるレンズで撮影しました。画面中央の大きな玉ボケは約100m先の街灯の灯りです。同じ大きさとなっているのがわかりますね。
同じレンズでいくつかの合焦面までの距離を変えたものと、有効口径33mmのレンズでも撮影しました。いずれも玉ボケの大きさがカードの大きさと一致しているのがわかると思います。
(f=85mm F1.8 f/F=47mm)
(f=85mm F1.8 f/F=47mm)
(f=85mm F1.8 f/F=47mm)
(f=40mm F1.2 f/F=33mm)
(f=40mm F1.2 f/F=33mm)
(f=40mm F1.2 f/F=33mm)
少し詳細な説明
先程の式におけるボケの大きさとは、合焦面での見かけの大きさ[mm]という意味でした。また対象の点光源は無限遠にある場合に成り立ちます。
つまり、「無限遠の点光源のぼけの大きさは合焦面に置いた有効口径サイズの物と見かけの大きさが等しくなる」ということです。
無限遠ではない場合、ボケはこれより小さくなります。合焦面ではボケの大きさは0であり、そこから外れると急激に大きくなり次第になだらかな変化になり無限遠での最大値に漸近してゆきます。
実際に遠景は被写体に比べて十分遠く(10倍程度以上)の距離に置かれることが多いと考えられますので、無限遠を仮定した場合の計算で十分使えます。
計算式の導出
多くのサイトで説明されていますのでここでは省略します。レンズの公式から錯乱円径を求める方法でよいです。
これに、遠景距離を無限大への極限をとることで式が簡単になります。
さらにセンサー面ではなく合焦面で置き換えると投影比を1と無視できますしセンサーサイズの仮定をしなくてすみます。これによって上記の式が得られます。
まとめ
- ボケの大きさは合焦面で考えると簡単、直感的。
- ボケの大きさは有効口径だけで決まります、有効口径と一致します。
- フルサイズ、APS-Cといった、イメージセンサーサイズは無関係。
- フルサイズ用、APS-C用など、レンズのイメージサークルの大きさにも関係ありません。
- APS-Cクロップや、デジタルズームしても、影響ないです。
- フルサイズはAPS-Cにくらべ ボケやすいのか。同じ画角で同じF値なら有効口径大きくなり結果たしかにボケるといえなくもない。
おわりに
いくつかのサイトで解説されているボケの大きさですが、合焦面でのサイズに注目して、撮影画像つきで説明されているところがなかったので、このようなページをつくってみました。
掲載の写真について
モデル:
うさみみつ さん
機材:
ILCE-7
PFU RBMH 85mm F1.8 VM8518E
Voigtlander NOKTON 40mm F1.2 Aspherical